韓ドラの世界 第一回 キム・ユニ先生のブログ6
韓国ドラマファンの皆さん、アンニョンハセヨ!
「あの頃はテレビの前で正座して待ってたわ!」という名作から、最近のネット配信作まで、韓国ドラマの歴史は本当に深いです。今回は、学習者の皆さんが楽しみながら学べるよう、「韓国ドラマの歴史と進化」を全3回シリーズでご紹介します。
第1回目のテーマは、伝説の「国民的ドラマ」たちです!
【第1回】韓国中が静まり返った!?視聴率60%超えの「怪物ドラマ」たち
韓国ドラマが大好きな皆さんなら、最近の『涙の女王』や『愛の不時着』のヒットも記憶に新しいですよね。
でも、少し時計の針を戻してみましょう。
90年代の韓国には、今では考えられない「視聴率60%」という驚異的な数字を叩き出した伝説のドラマたちが存在したんです。まさに、放送時間になると「街から人が消える」と言われた時代の熱狂をご紹介します。

📺 1. 韓国ドラマの代名詞:『첫사랑 初恋』 (1996-1997)
最高視聴率:65.8%(歴代1位)
韓国ドラマ史上、最も見られた作品がこの『初恋』です。貧しい家庭に育った兄弟(최수종 チェ・スジョン、배용준ペ・ヨンジュン)の絆と、身分違いの恋を描いた切ない物語。
・見どころ: 若き日のペ・ヨンジュンさんの瑞々しい演技!「冬のソナタ」で日本中を虜にする数年前の、情熱的な姿は必見です。
・当時の熱狂: 最終回の視聴率は、なんと韓国の全世帯の半分以上が同じ画面を見ていた計算になります。まさに「国民全員が親戚」のような一体感ですね。
「初恋は実らない」なんて言いますが、この二人の運命はあまりにも波瀾万丈!貧しいけれど絵の才能にあふれた青年チャンヒョクと、お嬢様ヒョギョンが、1970〜80年代の激動の韓国を舞台に、引き裂かれてもなお想い合う究極のラブストーリーです。
権力による妨害、突然の事故、そして「死んだ」という嘘……。次々と襲いかかる試練にハラハラが止まりませんが、復讐に燃える弟チャヌ(ペ・ヨンジュン!)の活躍や、家族の絆も見どころですよ。
💬 ドラマ『첫사랑』心に響く名ゼリフ集
① チャンヒョクの揺るぎない愛
“내 인생에 효경이는 단 한 사람이야. 그애가 아니면 안 돼.”
「俺の人生で、ヒョギョンはただ一人だ。彼女じゃなきゃダメなんだ。」
「단 한 사람(たった一人)」という言葉に、厳しい現実の中でも彼女だけを想い続ける強い意志が込められています。
② ヒョギョンの切ない誓い
“우리 다시 만날 수 있을까? 기다릴게, 얼마가 걸리든.”
「私たち、また会えるよね?待ってるわ、どれだけ時間がかかっても。」
「얼마가 걸리든(いくらかかろうとも)」という表現。先の見えない不安の中でも、愛を信じようとする健気さが伝わります。
③ ドラマを象徴するメッセージ
“첫사랑은.. 처음이라서 서툴지만, 그래서 더 잊을 수 없는 거잖아요.”
「初恋は……初めてだから不器用だけど、だからこそ余計に忘れられないものじゃないですか。」
「서툴다(不器用だ・慣れていない)」という単語が、若さゆえの純粋さと、それゆえの痛みをうまく表現しています。 最後は少し切ないけれど、誰かを一途に想う「言葉の温度」をしっかりと感じられる名作です。韓国の国民的ドラマの熱量を、ぜひ皆さんの語学力で受け止めてみてくださいね!
⏳ 2. 街を空っぽにした「귀가 시계帰宅時計」:『모래시계 砂時計』 (1995)

最高視聴率:64.5%
激動の韓国現代史を背景に、ヤクザの道を選んだ男と検事になった親友、そしてカジノ大富豪の娘の運命を描いた超大作です。
・伝説のエピソード: このドラマが始まる時間になると、サラリーマンたちが一斉に帰宅を急いだため、街から人がいなくなり「帰宅時計(귀가시계)」という言葉が生まれました。
・今のスターも!: 日本でも人気の이정재(イ・ジョンジェ)さん(『イカゲーム』主演)が、ヒロインを守る無口なボディーガード役で出演し、一躍スターダムにのし上がった作品でもあります。

激動の現代史に翻弄される「暴力団のボス」「エリート検事」「カジノ王の娘」という、固い絆で結ばれた3人の愛と友情の物語! 光州事件などの歴史的悲劇の中で、親友同士が「検事」と「被告人」として法廷で再会する皮肉な運命は、当時の韓国中を涙させました。
特に、死刑を前にテスが放った「俺…今、震えているか?(나… 지금 떨고 있니?)」というセリフは、今も語り継がれる韓国ドラマ界屈指の名シーンです。複雑に絡み合う彼らの人生を通して、正義とは何か、愛とは何かを深く問いかけてくる重厚な名作ですよ。
3. 韓流사극(サグク)の原点:『ホジュン 〜宮廷医官への道〜』 (1999-2000)

最高視聴率:64.8%
賎民の身分から御医(王の主治医)にまで上り詰めた実在の人物、ホ・ジュンの生涯を描いた感動巨編です。
・大人世代に響く理由: どんな逆境にも負けず、ひたむきに「人の命」と向き合うホ・ジュンの姿は、現代を生きる私たちの心にも深く刺さります。
・韓方のブーム: 放送当時は、ドラマの影響で韓方薬や健康への関心が社会現象になるほどでした。

低い身分から苦難を乗り越え、王の主治医にまで上り詰めるサクセスストーリーでありながら、常に「病人の心」に寄り添うホジュンの姿は、今見ても胸が熱くなります。特に、師匠ユ・ウィテの厳しくも愛のある教えを受けて、ホジュンが「真の医員(心医)」へと成長していく過程は、涙なしには見られません。
💬 心に刻みたい『ホジュン』の名ゼリフ
“사람을살리는데있어귀천이어디있습니까?
저는 그저 의원으로서 환자를 돌볼 뿐입니다.”
「人を救うことに、貴賤(身分の高い低い)がどこにありましょうか。私はただ、医員として患者を診ているだけです。」
⭐️귀천(貴賤): 身分が高いことと低いこと。当時の階級社会において、この言葉をぶつけるのは非常に勇気のいることでした。
#編集後記:今のドラマとの違いは?
最近のドラマは16話完結が多いですが、この頃のドラマは50話〜100話越えも当たり前!じっくりと登場人物の人生を追いかけるからこそ、最後には親戚のような情が湧いてしまうんですよね。
皆さんが初めてハマった「懐かしの1本」は何ですか?
次回は、ペ・ヨンジュンさんが日本でも大ブームを巻き起こし、ドラマが「世界」へと羽躍した2000年代〜2010年代のエピソードをお届けします!
